輸入小麦(外国産)が危険と言われる3つの理由

①小麦に残留する『グリホサート』が多い

外国産の小麦は国産小麦にくらべて、グリホサート(※)残留に対する不安が多いといえます。海外では、グリホサートを主成分とする農薬(除草剤)を収穫直前に散布する『プレハーベスト』が行われていますが、日本の小麦栽培でプレハーベストは認められていません。除草剤などの農薬は、日本でも栽培途中で使われることがありますが、雨に洗い流されたり分解されたりするため、農薬の残留量は減少していきます。 しかし、プレハーベストは収穫直前に行われるため、農薬が農作物に残留しやすくなるのです。実際、農林水産省が毎年行っている輸入米麦の残留農薬の検査では、設定した基準値以下ではあるものの、アメリカやカナダの小麦から微量のグリホサートが検出されています。 グリホサートは、発がん性が疑われており、使用の禁止や規制を強化する国も多くある一方、日本では2017年(平成29年)にグリホサートの残留農薬値の規制緩和がされています。 また、農民連食品分析センターで行った小麦製品のグリホサート残留調査では、アメリカ・カナダ産小麦使用の製品からは微量の検出がありますが、国産小麦使用の製品からは検出されませんでした。国際がん研究機関(IARC)は、除草剤の主成分であるグリホサートを「ヒトに対しておそらく発がん性がある」とされるグループ2A(※)に分類しています。

(※)グループ2A・・・IARCの4段階中2番目に強い、人に対する発がん性に関するさまざまな物質・要因(作用因子)を評価したもの

(※)グリホサート・・・世界で最も使用されている除草剤の主成分

②残留量が多くなる『ポストハーベスト農薬』が使用されている

輸入小麦は、保管・輸送中の害虫被害を防ぐために、収穫後の農産物に農薬を散布する「ポストハーベスト」が使われています。 食品衛生法によって使用可能な薬剤や安全とされる基準値が定められており、日本に輸入される小麦はこれをクリアした安全なものですが、やはり農薬の残留は多くなってしまい、健康への不安の声も聞かれます。 国産小麦は、収穫後に農薬を使用するポストハーベストは使われていませんので、農薬残留の心配が少なくなります。 実際に、農民連食品分析センターが行ったパン類の残留農薬に関する調査では、微量の有機リン系農薬が検出されました。ポストハーベストにも使われる殺虫剤の有機リン系農薬は、神経機能を乱す効果があるもので、大量に摂取すれば人間にも影響を及ぼす可能性はあります。

③外国では『遺伝子組み換え農作物』の栽培がある

国産小麦は、遺伝子組み換えの心配がありません。とうもろこしなどの遺伝子組み換え農作物の栽培が進んでいる海外と違い、日本国内では食用・飼料用の遺伝子組み換え農作物の商業栽培がありません。現状、さまざまな国で遺伝子組み換え農作物が栽培されており、日本も飼料用や食用油などの加工用として、とうもろこしや大豆などを輸入しています。小麦は食用にされるため、海外でも遺伝子組み換え小麦は栽培されていませんでしたが、2020年に世界で初めてアルゼンチンで栽培が承認されました。日本が小麦を輸入している主要国のアメリカ・カナダ・オーストラリアでは、小麦の商業栽培や販売はありませんが、アメリカとカナダでは未承認の遺伝子組み換え小麦が発見されたことがあります。